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2013.1218 O.A オオワシは何を食べている?

OJ残滓食.jpg

今回はオオワシの食生活について。
渡り鳥のオオワシは日本では蕃殖せず、極東ロシア、オホーツク沿岸から
秋に宗谷海峡の方から道東に渡ってきます。
1999年からサハリンに出かけて調査を行っている慶輔獣医がそこで面白いことを発見しました。
この道東で見ている冬のオオワシの食とサハリンで目にした食生活が違うそうなのです。
サハリンではオオワシの巣を調査しているのですが、そこに落とし物があるのです。
エサを残したものだったり、ペレット(未消化のものを口から吐き出したもの)だったり。

特徴的なのは野生のものということ。それがゴマフアザラシの赤ちゃんや雪ウサギの足や
カラフトマスやカレイなど。一番多いのはカラフトマスだったそうです。
その時に得られる旬のものを食べて生活しているのです。
そんな中驚いたのが、巣の中で発見した漁業用のブイやペットボトルがあったこと。

実はオオワシの1日の移動距離がだいたい40キロから50キロ。ということはそこにはエサがないといけないのです。
北海道にやってきたら、まずはホッチャレ、そして道東ではシカ猟で死んだシカや自然死したものを食べています。いわゆる獣肉にかわります。
そして12月から1月後半にかけては氷下待網漁で漁師さんが雑魚として置いていった魚。
さらには釧路などではゴミ処理場でも彼らの姿を見かけることがあります。

野生動物が臨機応変にその場所で食べるものを見つけ、自分の生活をバージョンアップして
命をつなぐという見方もできるという訳です。
環境の変化に対応していくことのできる優秀なワシだけが自分のライフスタイルを少しずつかえながら
生きのびる術を身につけていると言えるかもしれません。
少なくとも必要以上に人間に依存させない、
自然のエサを食べることのできる環境を
私たちが保っていかなければならない・・ことなのだと思います。
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※写真は齋藤慶輔氏からお借りしました。


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